内容説明
日本SFの祖・押川春浪と門人・鵜沢龍岳が遭遇する数々の摩訶不思議―SFの奇才にして古典SF研究の第一人者・横田順彌が贈る、科学と綺想、怪奇と幻想に満ちた“空想科学探偵譚”!
著者等紹介
横田順彌[ヨコタジュンヤ]
作家。1945年、佐賀県に生まれ東京で育つ。法政大学法学部卒業。サラリーマンを経て、70年、「週刊少年チャンピオン」にショートショートを発表し、商業誌デビュー。71年、「SFマガジン」に小説「友よ、明日を…」、研究エッセイ「日本SF英雄群像」を同時に発表。77年に初の単著『宇宙ゴミ大戦争』が刊行される。『快男児 押川春浪』(87年、會津信吾との共著)で第9回日本SF大賞、『近代日本奇想小説史 明治篇』(2011年)で第32回日本SF大賞特別賞、第65回日本推理作家協会賞評論その他部門、第24回大衆文学研究賞大衆文学部門をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
67
明治を舞台にしたSF探偵小説。この著者による押川春浪と鵜沢龍岳のコンビは「異形コレクション」シリーズでよく読んでいたため、何か懐かしく読む事が出来た。とはいえ向こうがホラーアンソロジーらしく怪奇に重点を置いていたのに対して、こちらは純SFに焦点を当てているよう。好みとしては異形コレクションの方が好きかなあ。向こうの方が何やら探偵小説らしいし。とはいえ明治という妙に若さを思わせる時代を生きる面々に再び会えたことは望外の喜び。中には腰砕けの真相もあったけど、明治+探偵+SFという組み合わせを堪能できました。2018/08/06
ぐうぐう
28
すこぶる、おもしろい! 横田順彌『押川春浪&鵜沢龍岳シリーズ』の復刊、その第一巻が本書なのだが、横田順彌と言えば、ハチャハチャSFのイメージが強いので、明治を舞台にした小説を書いていたことは知っていたが、これほどおもしろいとは思わなかった。明治末期の世情をストーリーに反映させたミステリで、なんと登場人物のほとんどは実在していたという驚きの設定だ。しかも、SF、オカルト、幻想と、ジャンルを軽々と越境したスタイルが痛快。(つづく)2018/01/31
本虫雪山
7
初めて知った作家だがハマってしまった。時は明治、日本SFの祖、押川春浪とともに怪事件を解き明かす新米SF作家、鵜沢龍岳の活躍を描く幻想ミステリー。確か島田荘司が説く本格ミステリの要素に"幻想的な謎と論理的な種明かし"とあったが、この作品は"幻想的な謎と幻想的な種明かし"とでも言おうか、今まで読んできたどんなぶっ飛んだミステリも敵わない結末が待っている。それが論理的でないかというと、いやちゃんと論理的。実在の人物が現実味を引き寄せ、絶妙のバランス加減。〈空想科学探偵譚〉というジャンルネーミングも最適。2017/10/04
スプリント
6
短編も長編もどちらも面白いです。オカルト系のミステリーが根底にありますが明治時代とマッチしています。登場人物も皆個性的でキャラが立っています。2017/12/15
ひびキング
3
早川の50年アンソロジーで出会い、読みたいと書いたにも関わらず手にしたのは著者の訃報を聞いた後のこのタイミングになってしまった、合掌。昭和のオカルトTV番組を思わせる前半は連作短編の趣きで少々不完全燃焼だが、そこで作り上げた世界を舞台にした後半の長編は一級のエンタメ作品と化している。たまたま始まったばかりの大河ドラマとのリンクもあり今が読み時。お薦めです。2019/01/31
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